荒井沢市民の森

荒井沢市民の森

 鎌倉市の北に隣接する横浜市栄区は、かつて江戸時代は鎌倉郡に属し、中世は山内荘という荘園で北鎌倉と一体になっていました。さらに古代は鎌倉郡尺度郷の内にあったので、古くから鎌倉の中だったといえます。そこで何回かに分けてこの「知られざる横浜の中の鎌倉」を取り上げていきます。

 栄区の特徴は豊かな自然が残っていることです。区内には横浜市内最大の円海山一帯の緑地があり、「横浜自然観察の森」をはじめ五つの「市民の森」と鎌倉に繋がるハイキングコース、いたち川流域のプロムナードなどが整備されています。

 今回はその中の「荒井沢市民の森」を紹介していきます。

☆「荒井沢市民の森」の概要

 「荒井沢市民の森」は、JR本郷台駅から南へ向かった場所にあります。とても歩きではいける距離ではなく、駐車場もないので、とてもアクセスするのが難しいです。今回は自転車で向かいました。ただ行くまでに「洗井沢川せせらぎ緑道」が整備されているので、「荒井沢市民の森」に行かず、せせらぎを感じるだけでも、気分はリフレッシュされます。

というのもこのあたり一帯は「公田町」という地名で、かなり早い段階から稲作が行われていた地域でした。

「荒井沢市民の森」方向からなだらかに下りとなっているため、地形をいかした米つくりが可能だったのです。この律令時代の口分田の名残に触れるだけでも、歴史の深さを感じることができます。

さて「荒井沢市民の森」の概要に戻ると、約10haで「極楽広場」・「皆城山展望台」・「炭焼き広場」・「三日月池広場」からなります。

☆「荒井沢市民の森」の見どころは昔ながらの稲作

 荒井沢市民の森の見どころは何といっても自然の地形をいかした田んぼです。ため池のカエル池や谷戸の奥から湧き出る清水を通して、古くから公田町一帯で稲作が盛んだった原風景の一端を見ることができます。

☆展望台からの風景

 「皆城山展望台」からは「みなとみらい21地区」や遠くは「富士山」まで見渡すことができます。