いくつも翻刻された史料があるのに、なぜ「吾妻鏡」なのか?
「吾妻鏡」以外の多くの史料は、登場人物になじみがなく、時代背景の推移をイメージするのが難しいものが多い。
これに対して「吾妻鏡」は源頼朝・平清盛・後白河法皇など、多くの方が知っている人物が登場する。
また軍記物語「平家物語」でなんとなく時代背景の推移を把握されている方も多い。
さらに「吾妻鏡」は、鎌倉時代前期の東国の歴史を知る史料が他に少ないことから、古くから注目され、訓読本や現代語訳・人物事典・索引など補助材料も多く学びやすい。
こうした点から「吾妻鏡」は、古記録に慣れるためにちょうどよい史料だと考える。