京都府立京都学 歴彩館 訪問

京都府立京都学 歴彩館 訪問

 レキシノワ小冊子の「古文書を見てみよう!」で毎号とりあげている「東寺百合文書WEB」は京都府立京都学 歴彩館」所蔵の文書です。

 東寺百合文書については、以前簡単に説明しましたので、今回は歴彩館について、実際に訪れた様子を交えて解説していきます。

 歴彩館は、京都に関する資料の総合的な収集、保存、公開を50年以上にわたり担ってきた府立総合資料館を前身としています。

 上記内容に、研究の支援や学習・交流の機能も新たに加え、平成29年「京都府立京都学 歴彩館」として開館しました。

 現代的な建築と空間は、学びの意欲を刺激します。

 地階は収蔵庫で、東寺百合文書はここに収められています。

 一階が交流フロアで、展示室やラウンジ、大小のホールがあり、各種イベントが開催されています。学習室もあります。

 二階は探求フロアとなっており、図書や情報検索を利用できます。

 職員の方に普段どのようなお仕事をされているのかお話を聞くと、その方は主に文書の保存と管理、および問い合わせに対応しておられるそうです。

 近世文書の原文書の閲覧は可能なので、京都の歴史を勉強されている方は是非一度利用してみてください!!との事。

 また 文書の保存と管理をされるお仕事の中での課題を訊ねると、日々寄贈される史料の目録をつける作業との事。目録とは文書それぞれに付せらる管理で、これが中途半端だと無い方がまだマシだそう。。。No.のみ付けて、利用者に探してもらう方がトラブルが少ないとの事。

 レキシノワで東寺百合文書WEBを利用させてもらっているので、なぜ東寺百合文書がWEB公開・利用が可能なのかを聞くと、「東寺百合文書は京都府が買い上げたものなのでWEBでの一般公開と利用が可能なのです」と説明して下さいました。

 これからの文書保存のあり方について質問すると、一般家庭にもこの先、価値を持つであろう資料があるそうです。それは写真、それから家計簿など手書きで記されたものだそうです。これらはデジタル化が進んでいるので、データのみの保存がほとんどの為、簡単に消去ができ、また風化によりデータとして再現できず、価値がなくなる可能性もあるといいます。

 写真や記録類を確実に後世へと伝えるには、やはり形として残るもの、例えば現像や筆記したものでなければならないようです。

 残しておいた方が良いと思う記録類は、上記の点を留意しておいた方が良さそうです。