鎌倉と房総半島を結ぶ道ゆかりの「光触寺」

鎌倉と房総半島を結ぶ道ゆかりの「光触寺」

2022年5月9日

 光触寺は朝夷奈切通の手前、十二所バス停の近くにあります。

古来、この付近は鎌倉と六浦・房総を往来する人々で賑わいました。

 光触寺の本堂前にある塩嘗地蔵は、塩売りが朝夷奈峠を越えて鎌倉に入る際、塩をお供えしたといいます。しかし帰るときにお地蔵さんを見ると塩は無くなっていました。このためお地蔵さんが塩を嘗めたのだと思い、いつしか塩嘗地蔵と名付けられました。

かつてこの道を通って鎌倉に塩が入ってきたことがわかります。

 また境内には一遍上人の像があります。一遍上人は鎌倉時代中期に全国をまわり、「踊り念仏」と「賦算」で人々を極楽浄土へ導きました。その足跡は「一遍上人聖絵」としても残っています。

 古道と商人。布教と上人。鎌倉の東北にあたるこの地域は、内と外をつなぐ旅の歴史が溢れる場所だといえます。