北鎌倉駅下車すぐ。というより元々、円覚寺さんの境内を、明治二十二年に横須賀線の敷設で門前が分断。東口を Suicaでピッと降りると、運賃を払っているのか入山料を払っているのか?錯覚する^ ^それぐらい降りてすぐに円覚寺ワールドが広がる。
見どころや謂われはたくさんあるが、ここでは北条時宗と渡来僧との関係を味わってみたい。
幼い頃から蘭渓道隆という当代きっての高僧に学び宋朝禅に親しんだ時宗君。蘭渓道隆が示寂した後は、大休正念や円覚寺の開山、無学祖元のもとで精神を整えた。
彼らとのやりとりが仏光国師語録・念大休和尚語録などで断片的に伝わる。なかでも禅僧を中国から招く際に遣わした書状は、北鎌倉(山ノ内)と大陸の結びつきを感じさせる。そういった外の世界との繋がりという意味では、横須賀線が走る風景も悪くない?
木々や風の吹き抜ける音、鳥の囀り、光など自然に囲まれた円覚寺さんの中で、大きく深呼吸をすると、彼らの禅問答と社会の鼓動を少しだけ感じられるような気がする。