ひとくちに史料といっても、原文書(古文書・古記録)・影写(原文書を写したもの)・翻刻(活字化されたもの)などがある。
原文書(古文書)は、当時の人が書いたもの・または誰かが写したもので、ミミズのはったような文字が和紙につらつらと書かれている。
博物館などで、〇〇書状とかいうキャプション付きで展示されている古文書そのものである。
古文書の文章は筆で書かれているので、文字がつながっていて、何が書かれているのか判読することは難しい。
しかし肉筆であること・上下関係が厳しかった時代なので、書札礼からの情報が得られること(いつ誰が何を何のためになどの情報を見つけられる可能性がある)・筆跡や花押など最も真実に近い情報が得られる(偽文書は除く)。影写も古文書を映したものなので基本的には同様である。
これに対して翻刻は、原文書や影写を活字化したもので、少なくとも辞書を引けば文字がわからないということは無い。また印刷物なので比較的容易に入手できる。
このように一口に史料を読解するといってもいくつかのパターンがある。いきなり古文書・古記録などの原文書を読むというのは、相当ハードルが高いので、まずは翻刻から慣れることが近道だと思う。
「吾妻鏡」を用いた理由がここにある。