歴史に興味関心を持ち、本を読み進めていくと、必ず史料という言葉がでてくる。
この史料というのは著者の記述した内容が、過去のどのような素材から導き出したか?を伝えるため提示されている。
つまり歴史の本は、元となる史料があって、史料の解釈と状況証拠の積み重ねで、描かれているといっても過言ではない。
この史料の解釈は論者によって様々な上、用いる史料の良し悪しも重なる。だから本によって描き出す歴史像が異なる場合もある。
さらにかつて通説だった内容が、あらたな史料や遺物の発見によって、真逆の歴史像となるケースもある。
こうしたことから歴史に興味を覚え、ある程度いくつかの本を読み進めていくと、自分で史料を確認したいという思いが芽生える。
しかしいざ史料を手にとっても、ほとんどの史料は現代人の用いる言葉使いではなく、書かれている内容も難解で理解することが難しい。
そこで十数年、本職とは別で史料講読を学んできた視点から、古文書・古記録を読解するための基礎的なスキルを書いてみようと思った。