レキシノワvol.01 古文書は通信手段。古文書を見てみよう!では、東寺百合文書の
「函/番号ヰ函/89/2/文書名播磨国守護赤松満祐奉行人連署書下案」
の折紙を取り上げました。
紙面の時数の都合上、この文書の翻刻を記載できなかったので、ここに記しておきます。
「東寺領播州矢野庄誉田八幡宮造営段銭事、任御教書之旨、可止催促之状如件、
永享四年十月十九日 通信判 心源判 性智判
小河備中入道殿 上原備中守殿」
このように書かれています。
端裏書には「矢野反銭免除符案」とあります。
端裏書とは、文書の受取人が、文書を受け取ったとき、その日付と内容を略記するものをいいます。東寺が室町幕府・播磨守護から矢野段銭を免除された文書の控えをとり、後々の証拠として残していった様子がわかります。
控えの文書を案文(あんもん)といいます。また原文書は正文(しょうもん)といいます。
案文の花押部分は御判や判と書かれ、正文には実際に花押が据えられました。
今回の文書でも、播磨国守護赤松満祐の奉行人である通信・心源・性智には、判とだけ書かれています。
こうしたところからも正文と案文の違いを見分けることができます。
古文書を目にした際は、是非花押部分に注目してみてください。