細川重男氏著『宝治合戦』(2022.08 朝日新聞出版)

細川重男氏著『宝治合戦』(2022.08 朝日新聞出版)

本書は北条義時が亡くなった後の歴史。鎌倉幕府の合議制が、引付方の設置で一通り完成する法治への道を描く。北条義時の意志を子孫が宿命として背負っていく。そんな歴史である。そしてこの過程における重要な政治史が『宝治合戦』。一般的には馴染みの薄い合戦の名だが、吾妻鏡に小説という仮面を被せ、臨場感溢れるストーリーで、舞台となった西御門(にしみかど)へといざなう(本書は解説編と小説編からなる)。本書を読んだ後に西御門へ行くと、これまで気が付かなかった世界に出会えそう〜🎶

歴史は学んでも、どうだったっけ?理解したはずなのに出てこない!!という事がよくある(私だけ❓かも💦)。氏の本は、手を替え品を替え、大事な部分を理解しやすいように書いてくれるので、記憶が蘇って本当に有難い。

さらにワクワクするのは氏の真骨頂が鎌倉時代中期から後期に向けて勢いを増すことだ。発表されている論文や実績がそれを物語る。今後、時代を追ってさらに著書を重ねるだろう。二月騒動、蒙古襲来、霜月騒動、平禅門の乱、、、嘉元の乱、、、etc…おそらく幕府滅亡の鎌倉合戦まで一人で描き、鎌倉時代を貫かれると思う。