悪〜悪左府、悪源太、悪七兵衛〜

悪〜悪左府、悪源太、悪七兵衛〜

 歴史の史料を読んでいると、時々「悪」とつく名前の人物が出てきます。

当時の「悪」は、その人が恐るべき能力、気力、体力を持っていることを表します。

例えば保元の乱の首謀者、藤原頼長は悪左府と呼ばれていました。抜群の能力を持つ左大臣だと認識されていたからです。

また源頼朝の異母兄である悪源太義平は、とても強い武将だと恐れられていました。同じく藤原(伊藤)悪七兵衛忠清も勇猛な武将として、「悪」をつけて呼ばれました。

人名ではないのですが、武力行使する悪僧や悪党も同じです。  

 決して現在の悪いという意味だけではない事に注意をしないと、善悪の先入観で史料を読解してしまう可能性がでできてしまいます。